本日2019年9月25日に北京で2つ目となる北京大興空港がオープンした。建国70周年に合わせた記念的なプロジェクトで、中国政府が国家発展の新たな動力源としている、北京大興国際空港は一体どのようなものなのか。今回は映像とニュース動画の速報を見てみたい。
オープン式典に出席するため新地下鉄に乗る習近平国家主席の映像
9月25日のオープニング式典には習近平国家主席も出席。空港オープンにあわせて新しく開通した地下鉄に乗り、空港に向かう習近平国家主席の映像がニュースで流れた。
世界の空港利用者数ランキング
2018年度の利用者数ランキングを見ると北京国際空港は1億人を超えており、超過密空港となっている。日本のトップである羽田空港でも8690万人程度なので、北京空港の利用者の多さが良く分かる。なお、新空港の利用者は2021年4,500万人、2025年7,200万人と想定されている。
1.ハーツフィールドジャクソン・アトランタ空港(米ジョージア州)1億740万人
2.北京首都国際空港(中国)1億100万人
3.ドバイ国際航空(アラブ首長国連邦)8910万人
4.ロサンゼルス国際空港(米カリフォルニア州)8750万人
5.羽田空港(日本)8690万人
6.シカゴ・オヘア国際空港(米イリノイ州)8320万人
7.ロンドン・ヒースロー空港(英国)8010万人
8.香港国際空港(中国)7450万人
9.上海浦東国際空港(中国)7400万人
10.パリ・シャルルドゴール国際空港(フランス)7220万人
北京大興国際空港の概要
新空港は北京の南50Kmの位置にあり、首都空港とはまさに反対の位置にある。雄安新区には近いため、雄安に行きたいならこの空港一択である。
空中から見る空港の造形は鳳凰。ターミナルビルを中核とし、周辺に広がっており、空から見ると、北京大興国際空港は羽ばたく鳳凰のようになっている。ターミナル、飛行エリア、総合交通センターなどで構成されている。まあ、大きなヒトデと一部では不評ではあるが・・・。
ターミナルの中核エリアである旅客エリアで出発と到着の手続きを行う。屋根はワイヤーフレーム構造を採用し、63450本の鉄棒と12300個の接続ノードで構成されており、不規則な自由曲面空間となっている。
ターミナルの中核区を中心に、東北、東南、中南、西南、西北の5方向に5本の回廊が伸びている。中心から四方八方へと伸びるこのデザインにより、ターミナルの中心から最遠端の搭乗口までの距離はわずか600mほどとなり、旅客が歩いてもかかる時間は最大でも8分で済む。
長期計画では七本の滑走路を造る予定であるが、まずは前期として四本の滑走路が投入される。
北京大興国際空港ターミナルは、地上5階、地下2階建てとなっている。
中国史上初の空港 南苑空港は閉鎖
なお、この大興空港のオープンにより北京の南苑空港が閉鎖される。南苑空港は1910年に設立された中国史上初の空港であり、1949年には人民解放軍の初の飛行中隊が置かれた。また、建国記念日の閲兵式の飛行機もこの飛行場から飛び立った。1986年には民間と軍用の併用空港となり、北京首都空港が出来た後も一部の国内便などが飛行していたが、大興空港にすべてのフライトが移管される。
まとめ
ということで、キャパオーバーで慢性的な遅れが発生し、不評であった北京に待望の第2の国際空港が出来たということで市民からは大変歓迎されている。上海には虹橋空港と浦東空港の2つがあったのであるが、首都北京には1つしか無かったのが不思議なくらいであるが。北京の空の旅の今後の改善を期待したいところである。