ココがポイント
日本の26倍という広大なの国土を持つ中国。あまりに大きすぎてピンと来ないのであるが、中国の省・自治区の中でなんと8つの省・自治区が日本よりも広い面積を誇っている。一番小さいのは実は上海市なのであるが、この上海でさえ大分県と同じ大きさである。今回は中国の省を面積の面から見てみたい。
トップ1ー10位
1位のロシアは圧倒的な大きさでトップを独走している。もちろんその国土のほとんどは寒すぎて活用できない土地なのであるが、それでもこの大きさは恐ろしあである。3位アメリカと4位中国という二大経済大国の面積がほぼ同じ大きさなのは面白いところである。ちなみにこの面積は中国が主張する国土を適応すると入れ替わったりするくらい中国とアメリカの面積は近い。4位中国と人口がほぼ同じの7位インドの面積は中国の3分の1しかない。確かにインドに行くと、なんか人が多いように感じられるのであるが人口密集度の問題であろうか。それとも濃いあの顔のせいであろうか(笑)
ちなみに、このトップ10あたりまでは、日本の面積(38万㎢)を考えると、想像もつかない大きさである。日本に住んでいると、東京と大阪でさえかなり離れているように思えるが、世界基準で見ると、近すぎてご近所様レベルである。
順位 | 国 | 面積(万㎢) |
1 | ロシア | 1710 |
2 | カナダ | 999 |
3 | アメリカ | 983 |
4 | 中国 | 960 |
5 | ブラジル | 852 |
6 | オーストラリア | 774 |
7 | インド | 329 |
8 | アルゼンチン | 278 |
9 | カザフスタン | 273 |
10 | アルジェリア | 238 |
トップ11〜20位
さて、ここら辺からは、普段は意識してないが、世界地図で見るとなんとなく大きそうな国が並んでくる。メルカトル図法でみると大きい12位グリーンランドは、実際にも結構大きい、という事が分かる。また、中東の大国である13位サウジアラビアと18位イランはライバル同士だけあり、国土の大きさもかなり近い。
そして、ここで省別の比較トップバッターとして新疆ウイグル自治区が出てくる。中国の最も内陸にある最大の自治区である。ウイグル族が約半数を占める人口は2200万人程度で多くは無いのであるが、面積は中国の省・自治区・直轄市の中では最大である。イランは結構大きい国であるという認識があると思うが、新疆とほぼ同じ大きさである。
順位 | 国 | 面積(万㎢) |
11 | コンゴ | 235 |
12 | グリーンランド | 217 |
13 | サウジアラビア | 215 |
14 | メキシコ | 164 |
15 | インドネシア | 191 |
16 | スーダン | 186 |
17 | リビア | 176 |
18 | イラン | 165 |
新疆ウイグル自治区 | 164 | |
19 | モンゴル | 156 |
20 | ペルー | 129 |
トップ21ー30位
さて、世界ランキングでは、ここら辺からアフリカ無双が始まる。地図上ではあまり意識できないのであるが、そもそもアフリカ大陸は、アメリカ+中国+インドを足したくらい広大な面積を誇っている。アフリカ諸国は、植民地支配で分断されているという課題はあるものの、一つ一つの国の面積は非常に大きい。
中国を見てみると、ここにチベット自治区、内モンゴル自治区が出てくる。アフリカの大国である南アフリカとほぼ同じ大きさである。こうやって見てみると、中国の面積TOP3はすべて自治区であるという事が分かる。それぞれがもともと独立した国だったので、まあ、大きいのは当たり前というところであろうか。
順位 | 国 | 面積(万㎢) |
21 | チャド | 128 |
22 | ニジェール | 127 |
23 | アンゴラ | 125 |
24 | マリ | 124 |
25 | 南アフリカ | 122 |
チベット自治区 | 120 | |
内モンゴル自治区 | 118 | |
26 | コロンビア | 114 |
27 | エチオピア | 110 |
28 | ボリビア | 110 |
29 | モーリタニア | 103 |
30 | エジプト | 100 |
※出典:JETRO、2018年
閑話休題~自治区のお話し~
自治区の面積が大きいという話が出てきたので中国の地図を見てみると確かにこの3つの自治区は圧倒的に大きい。自治区とは何か知っているだろうか?また別の機会に詳細は説明するが、今回は簡単に概要をみてみたい。
まず、中国には、新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区、広西チワン族自治区、寧夏回族自治区、チベット自治区の5つの自治区がある。これは、省と同クラスの行政単位として扱われているが、中国の自治区は少数民族が主体となって管理する地域であり、民族区域自治法という法律により管理されている。
そもそも、中国には56の民族がいて、この民族対立が起こらないように、中国は伝統的に民族の融和や独自の統治、文化の保存に心を砕いてきた。もちろん、共産党支配での前提ではあるが。
また、特にこのモンゴル、ウイグル、チベットの3地域は、もともと独自の国家があった地域であり、特に中国としては独立の動きに敏感な地域でもあり、自治を認めつつも締め付けている地域でもある。
TOP30以外
さて、上記以外に主要なところを見てみると、日本より大きいのが、青海省、四川省、黒竜江省、甘粛省、雲南省となっている。比較的に貧しい地域ばかりではあるものの、やはり中国の規模感には驚くばかりである。
順位 | 国 | 面積(万㎢) |
37 | トルコ | 78 |
青海省 | 72 | |
43 | フランス | 64 |
52 | スペイン | 51 |
四川省 | 48 | |
黒竜江省 | 46 | |
甘粛省 | 46 | |
56 | スウェーデン | 45 |
雲南省 | 39 | |
62 | 日本 | 38 |
63 | ドイツ | 36 |
80 | イギリス | 24 |
まとめ
ということで、今回は中国の省の面積を見てきた。冒頭にも書いた通り、中国の面積は日本の26倍あり、日本より面積が大きい省・自治区も8つもある。このような地域を日本と同じように画一的に捉えることは非常に無理があり、企業がマーケティングする際には本当に注意が必要である。
その昔、経営の神様と言われた松下幸之助が中国を訪問した際には「中国は一つの世界である」と言ったそうであるが、そのような感覚でとらえる方が良いであろう。みんな、小さいと思っている北京市でさえ、四国とほぼ同等の面積があるのであるから。