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中国の不動産バブルは弾けるのか?労働人口減少の影響

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中国の労働はすでに減少を始めている。一人っ子政策の影響により、中国はこれから超高齢化社会を迎えると言われているが、その場合、中国の不動産市場にどれくらいの影響を与えるのだろうか?不動産バブルは弾けるのであろうか?

 

不動産価格高騰の歴史

 

ここ十年間、不動産市場はどれだけ急速に膨張しているのか。データを見てみると、中国の不動産関連投資データがまとめた統計は、早くは1986年に始まり、30年余りの発展を経て、2018年の不動産関連投資はすでに12兆を超え、1986年の1200倍、年平均24.8%増加している

 

1998年の不動産改革後、不動産開発投資の伸び率は加速したが、2010年の33%が最も高く、ここ数年はやや低下したが、マイナス成長になることはなかった。

 

中国の経済を、支えてきたのは不動産であり、これと肩を並べる業種はなく、中国人の生活と経済に密接に関わっている。

 

 

労働人口減少のショック

 

不動産がこのような規模になったのは、労働力人口の増加と都市への流入による不動産需要の急速な拡大があったからである。日本の高度成長期にもまったく同様のことがおこっている。いわゆる人口ボーナスというような現象である。

 

しかし、一般的に労働力と呼ばれる15~64歳の人口は、2013年に10億600万人をピークに減少し始めている。

 

都市部の1000人当たりの新規着工件数という指標から見ると、不動産ピーク期は早くも2013年には過ぎているという指摘もある。都市化学者の任栄栄は、不動産業は2013年時点でほぼピークに達していると指摘している。

 

10年で労働人口がどれだけ減少するのか?

 

まず、現在の労働力人口についてであるが、2013年に労働力人口は10億600万年にピークを迎え、その後5年連続のマイナス成長となり、年平均200万人近く減少している。

 

一方、65歳以上の人口占有率の上昇が続くなか、中国の高齢者人口の扶養率も2000年の10%から2017年には16%近くまで上昇し、それまでは10人が高齢者ひとりを、現在は6人が高齢者ひとりを支えていることになる。

 

統計局が発表したデータによると、2018年末の中国の労働力人口はおよそ9.6億人前後である。

 

中泰証券のマクロアナリストである梁中華氏によると、今後5年間、中国の労働年齢人口は平均して毎年300万以上減少し、その後更に低下していく。特に2028年から-2039年までの十年間、中国の労働年齢人口を毎年1000万人以上減らすことになる。

 

これを計算すると、労働力人口は今後十年間で約4000万人減少する可能性がある。現在の人数、今後10年で減少する数字があるので、10年後の労働力人口は約9億2000万人と計算しやすい。

 

そして、20年後を見ると、現在に比べて1億5千万人以上の労働力人口が失われることになる。

 

労働力人口が減少が不動産価格下落に繋がるのか?

 

現在の不動産状況を中国語で言うならば“穏中有降”である。平穏を保っているが、下がる場合や地域も有る、という意味である。

 

 

経済学者の李迅雷氏は2019年に不動産はマイナス成長の時期に入るとしており、商品住宅の販売面積は2019年にマイナス成長になると見ている。では、この現象は全国一律で起こるのかといえば、この広大で、地域格差がまだまだ大きい中国では地域差が大きいということになる。

 

大部分の地方都市の人口は純流出となっており、流出した人口がどこで増えているのかを見極める必要がある。やはり大都市へ労働人口は流出しているのである。

 

要するに、日本で言えば東京のような人口が集まる人気都市であれば、中国の総労働人口が減ろうが問題ないが、流出していく都市は値下げ圧力に晒されている、ということである。これは日本とまったく変わらない構図となってくる。

 

家は売るべき?

 

中国の場合は値上がり目的で不動産投資をしている人が多いため、家はかうべきか、ではなく、いつ売るべきかで語られることが多いのであるが、中国の専門家によると現在、家を売るべきかどうかは以下の2点で考えるべき、との見方である。

 

 

①自分の都市の労働力人口が増えているか

 

家を売るか売らないかは、総人口ではなく、労働力人口の増減を見るべきであり、大量の青壮年層がいる場合は、住宅価格に大きな下値抵抗基礎があると考えて良い。ここ10年で1級都市の住宅価格は数倍になっているが、現在は横ばいの安定状態とになっている。人口が安定して流入する1級都市の価格が大きく下がることは考えにくいので、今すぐ売る必要はないという事になる。

 

②自分の経済状況

 

住宅をいくつも買っており、そのローン支払いに追われているような場合、今のところ住宅価格の大きな上昇は見込めないため家を売って将来的に“足手まとい”にならないようにするのが良い。一方、家を買った時期が比較的早い時期、つまり安い時に買っており、ローン返済に無理がない、または返済が終わっているような場合は無理して売る必要はない。

 

まとめ

 

記事のタイトルに戻って、中国のバブルが弾けるのか、弾けないのか、という見方に対する答えは、中国では一般的に“穏中有降”で理解されていると考えて良い。

 

一級都市では価格は下がりにくいが、地方都市では小さなバブルがすでに弾けている、という見方である。むしろ、中国政府は小さなバブルを弾けさせる事により、全土にバブルが波及するのを防いでいる、と見る方が正しいかもしれない。

 

共産党中国中央政府は非常に大きな権力とリーダーシップを持っているため、住宅購入の抑制政策や促進政策をうまく使い分けて、この厳しい局面を今のところ乗り切っているように見える。

 

しかし、米中貿易戦争がさらに進み、景気がさらに悪化した場合、どのような事態になるのか、政府が上手にコントロールしきれるか、それはまだ未知数である。

 

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