中国のGDPが世界2位になってからすでに久しいのであるが、その経済規模の大きさを実感している人は少ないため、今回はそのインパクトを数字とランキングで見てみたい。なお、中国のGDPはすでに日本の2倍以上、3倍近い数字でありながらGDPはまだ6%以上という高成長を続けており、日本との差は開き続けるばかりである。なお、1年でほぼオランダ(7,712憶ドル)と同等のGDPが中国で生まれていると考えるとそのインパクトがわかりやすい。
ランキング1~10位
最初にトップ10を見てみると、米国と中国のGDPが突出しているのがわかる。日本も頑張ってはいるが、中国とはすでにダブルスコアである。その昔、日本のGDPがアメリカを追い越す、と言われていた時代が懐かしいものである。2位グループはやはり日本とドイツであり、5位の英国以下にまたかなりの差をつけている。第10位のカナダは中国のGDPのほぼ10分の1となっており、トップ10とは言え格差が激しいのがわかる。なお、中国の省別では、トップ10にはまだ姿を現さない。
| 順位 | 国 | GDP(億ドル) |
| 01 | 米国 | 185,691 |
| 02 | 中国 | 112,067 |
| 03 | 日本 | 49,386 |
| 04 | ドイツ | 34,666 |
| 05 | 英国 | 26,292 |
| 06 | フランス | 24,632 |
| 07 | インド | 22,564 |
| 08 | イタリア | 18,507 |
| 09 | ブラジル | 17,986 |
| 10 | カナダ | 15,292 |
ランキング11~20位
さて、11位以下を見てみると、韓国が11位ということでロシアより上位で健闘していることが分かる。なお、ここまでくると中国省別GDP無双がはじまる。広州市や深センを抱える中国製造業の中心地である広東省と、杭州の浙江省がほぼスペインと同等、メキシコやインドネシア、トルコなどより上位に食い込んでいる。また、山東省などパッとしないイメージがあるもののインドネシア一国よりも上位にきている。さらにパッとしないイメージの河南省はなんとアルゼンチンや台湾より上位となっているのは驚きである。
| 順位 | 国 | GDP(億ドル) |
| 11 | 韓国 | 14,112 |
| 12 | ロシア | 12,807 |
| 13 | オーストラリア | 12,590 |
| 14 | スペイン | 12,326 |
| 広東省 | 11,975 | |
| 浙江省 | 11,459 | |
| 15 | メキシコ | 10,460 |
| 山東省 | 10,092 | |
| 16 | インドネシア | 9,324 |
| 17 | トルコ | 8,574 |
| 18 | オランダ | 7,712 |
| 浙江省 | 7,001 | |
| 19 | スイス | 6,599 |
| 20 | サウジアラビア | 6,396 |
| 河南省 | 6,048 |
ランキング21~30位
ここまでくるるとさらに中国の中でもマイナーなイメージのある内陸の省がどんどん食い込んできている。オーストリアやイランは大国のイメージがあるのであるが、それらよりも四川省などのほうがGDPが大きくなっている。また直轄市である上海はタイよりも上、北京でさえアラブ首長国連邦よりも上位となっている。
| 順位 | 国 | GDP(億ドル) |
| 21 | アルゼンチン | 5,451 |
| 22 | 台湾 | 5,286 |
| 23 | スウェーデン | 5,114 |
| 四川省 | 4,922 | |
| 湖北省 | 4,864 | |
| 河北省 | 4,793 | |
| 湖南省 | 4,706 | |
| 24 | ポーランド | 4,676 |
| 25 | ベルギー | 4,670 |
| 福建省 | 4,295 | |
| 上海市 | 4,136 | |
| 26 | タイ | 4,069 |
| 27 | ナイジェリア | 4,060 |
| 28 | オーストリア | 3,868 |
| 29 | イラン | 3,768 |
| 北京市 | 3,750 | |
| 30 | アラブ首長国連邦 | 3,714 |
(データ出典:JETRO、2016年)
まとめ
ビジネスをするにあたって中国を1つの国としてみると大間違いである。一つの省で世界の大国といわれている国よりもGDP規模が大きく、ビジネスやマーケティングを行うにあたっても、やはり地域戦略が非常に大切になってくる。特に日系企業は本社を北京や上海に置くことが多いのであるが、経済規模でみると広東省(広州市や深セン)への戦略をしっかり考えておかないといけない、ということになる。
もちろん、成都や重慶、武漢などの内陸部の急成長都市へもしっかりと対策を打たなければいけない。
中国の国土は日本の26倍であり、日本の画一的なマーケティング手法が通じにくいのも、この日本を圧倒する規模感であると肝に銘じておくことをお勧めする。