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中国のシリコンバレー イノベーションセンター深センを活用する方法

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昨今、中国のシリコンバレーと呼ばれる深センの注目度が大きく上がっている。深セン凄い、深センを見習うべき、深センを活用すべき、深センに視察に行きましょう、などともてはやされているのをよく見るのであるが、本当の深センを姿を知っている人はほとんどいない。そこで、深センの何がすごいのかを検証しつつ、深センをいかに活用すべきなのかを考えて見たい。

 

GDPで見る深セン

 

 1997年2017年
人口528万人1253万人
GDP総額157億米ドル3324億米ドル
一人当たりGDP2969米ドル2万6533米

 

深センは鄧小平による改革開放により香港の隣に出来た新しい都市であるが、奇跡的な発展により急成長を遂げている。人口は1997年には528万人だったものが、わずか20年後の2017年には1253万人と倍増している。これは、非常に多くの若者が深センドリームを夢見て深センに移住した結果である。また、2017年の一人当たりGDPは26533ドルとなっており、日本の神奈川(2013年26,981ドル)とほぼ同等になっている。ちなみに、これは台湾ともほぼ同等の数字である。

 

起業の聖地 2016年度新規企業登録数

 

深セン386,704社
上海295,333社
北京222,000社
東京37,679社

 

また、新規企業登録数を見ると、なんと東京の10倍の起業数となっている。ちなみに、中関村を抱える北京や、中国経済の中心地ともいえる上海よりも深センの方が起業数が多い。

 

深センの位置的な優位性

 

深センは香港の隣に位置し、深センの企業が香港にR&Dセンターや金融センターを設置し、香港大学などの香港の優秀な人材を採用するなど盛んにおこなわれている。電車で繋がっているので香港と深センの経済は一体運営されていると言っても過言ではない。

 

また、深センは中国製造業の中心地である広東省に属している。周辺には、広州市や東莞市、仏山市、恵州市などの一大製造拠点を擁している。中国の著名企業やFOXCONNなどの台湾企業、その他外資企業もこの周辺に製造拠点を築いており、人材の集積や、製造関連のサプライチェーンも非常に整っている

 


深センを本拠地とする中国の著名企業をあげておくと、ZTE、Huawei、Oppo、BYDなど今や知らない人は居ない企業ばかりである。

 

また、中国IT企業の巨頭、Tencentが本社を深センに構えており、ここからスピンアウトした人材が作ったベンチャーが多くのイノベーションに挑戦している。これは、Alibabaの本拠地である杭州で多くのベンチャーが育っているのとほぼ同じ状況である。

 

では、新センのイノベーションの特徴は?

 

北京大学、清華大学を擁する中国イノベーションの押しも押される中心地である北京と比べてみると深センの特徴が見えてくる。まず、北京はさすがにイノベーションの中心地だけあり、ほぼすべての分野のイノベーションをカバーしている。

 

 深セン北京
製造 
ロボティクス
AI
BigData
フィンテック 
ブロックチェーン 
教育テック 

 

一方、深センのイノベーションは民間企業を中心とした特定分野に特化しているのが大きな特徴であるという事が出来きる。特に、製造およびIT周りのイノベーションを得意としており、フィンテックなどはTencentなどが頑張っているとはいえ、まだまだ深みと広がりがないと言える。

 

深センを活用するためのヒント

 

さて、日系企業がいかに深センのイノベーション力を活用するか、というのが一番興味があるところではあろうが、これは日系企業にとっては非常に難しい問題である。

 

私の経験でいうと、大きな目的が無く、なんとなくR&Dセンターや研究所を設置するとまず間違いなく失敗する。私も経験があるのでこれは100%約束するが、なんとなく深センにイノベーションセンターなどを設置したら、日本の本社から成果が上がっていないと責められて、数年度には撤退・縮小するのが関の山である。

 

よって、深センのイノベーション力を活用するためには目的が一番大切で、次に日本流をいかに排除するか、というところにかかっている。

 

目的

・上記の深センが得意なイノベーションを、中国で開発・事業化するために活用すべき

・目的は明確であればあるほど良い。不明確な目的でなんとかなると思ったら大間違い

・中国はグローバルへの展開は得意ではないが、グローバルでも競争力があるサービスや技術を中国市場向けに開発するのは不得意

・よって、日本の補助的な機能を担わせると失敗する

ルール

・若者が多い深センで日本式の厳格なルールを持ち込まない

出来る限りの権限を現地に渡す

待遇

・日本以上の待遇を覚悟すべき。中国一流企業や大金を稼いでいる起業家が多い土地柄の為、日本並みの待遇では一流人材は居付かない

・重要なので再度いうが、中国一流企業の技術者への待遇は日本よりはるかに良いことを再認識すべし

 

 

とあるセミナーで、いきなり大きな組織を構えずに小さく始めよう、という提案をしていたのであるが、私はこれは半分賛成で半分反対である。

 

小さく始める=実験的にためしてみよう、ということで、目的が非常にあいまいになりがちなため、小さく始める場合でも目的を明確化出来ない場合は深センに手を出すべきではない

 

なお、私は深センにイノベーション施設を設置して成功している日系企業を幾つかは知っているが、かなりマイナーな目的に特化した=目的が超明確な運営をされているところが多いと思う。

 

日系企業で深センに大規模R&Dやイノベーションセンターを設置して、大成功している企業が是非出てきて欲しいものである。

 



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