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中国の歴史と文化を知るために読みたい素人は知らない傑作漫画5選 その2

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今回は中国の歴史と文化を知るために、普通の漫画好きではななかなか読まないであろう、ちょっとマニアックな中国の歴史をテーマにした漫画のその2をご紹介したいと思います。その1からだいぶ時間をかけて、じっくり厳選したものばかりです。マイナー度はさらにアップしているかもしれませんが、内容の面白さも比例してアップしているもばかりだと思います!

 

<関連記事>その1はこちら

中国の歴史と文化を知るために読みたい素人は知らない傑作漫画5選

今回は中国の歴史と文化を知るために、普通の漫画好きではななかなか読まないであろう、ちょっとマニアックな中国の歴史をテーマにした漫画を紹介したい。と言ってもマニア過ぎず、エンターテイメントとしても十分に ...

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2次大戦前後の上海を描く「星間ブリッジ」

 

 

租界時代の”魔都”上海から話はスタートし、日中開戦、終戦、そして引き上げ、その後・・・そのような時代に、上海に引っ越した日本人の少女ハルと中国人の少年シンの心の交流を描く傑作漫画です!最近読んだ三国志や春秋戦国時代などの歴史ものではない中国関連の漫画では本当に最も良かったと思います。

 

まず何が良いって、絵が素晴らしい!アマゾンのレビューにも書かれていたのですが、品が良い絵柄で、ものすごく好感が持てます。2012年デビューの漫画家さんのようですが、画力も高く(武蔵野美術大学の日本画学科卒業だそうです)、お話がすっと自然に体の中に入ってきます。私は一橋大学卒業で、武蔵野美術大学とはサークル活動でものすごくやり取りがあったのでなぜか親近感を持ってしまいます。

 

物語自体は、上海に引っ越したちょっと裕福な家で甘えて育てられた日本人の少女ハルが、貧しいけれどもとても純粋でちょっとイケメンな中国人の少年シンと仲良くなり、徐々に中国にひかれていく物語を描いたものです。日本人のいじめっ子が登場したり、日中開戦による別離、シンの父親の死などの悲劇を経て、二人の距離と心は離れ・・・そして最後には終戦後に再開するというところで話が終わります。

 

漫画を読んでいると、当時の上海がどのような雰囲気だったのか、その空気感のようなものが分かります。

 

 

この話は、作者がおばあちゃんから聞いた、戦争当時の実体験をヒントに書かれたものとのことです。

 

ちなみに、私のこの漫画の一番のお気に入りポイントは、ハルの家にずっと雇われていた中国人のお手伝いのアマです。実は私も、中国人のお手伝いさんを長い間雇っていたのですが、6年ほどお世話になり、うちの二入の娘を生まれた時からずっと我が子のように面倒を見てくれたお手伝いさんにすごい似ているんですよね(笑)この漫画と同じように、田舎出身で、言葉は少ないけれども、素朴でとても暖かいお手伝いさんでした。

 

 

 

巨匠手塚治虫が太平天国から革命までを描く「一輝まんだら」

 

 

その1を書いたとき、なぜこの本を思い出さなかったんだろう、と後で思ったほどの巨匠の作品です!手塚治虫が1974~75年に漫画サンデーに連載し、大変残念なことに未完で終わってしまった、中国歴史漫画の名著です。未完ですがとても面白いので読むことをお勧めします。

 

1900年代初頭、ヨーロッパの列強に植民地化されつつある清王朝末期の中国から物語は始まり、義和団事件を経て、物語の舞台は、当時革命を目指す中国の知識人が多く亡命していた日本に移る。孫文なども史実の人物も登場するなど、当時の革命の雰囲気を伝えてくれる

 

物語の冒頭は凄惨なシーンから始まります。飢饉で亡くなった人の髑髏や、税金を納めることができなかった人への拷問など・・・。この辺のリアリティーが天才手塚治虫らしく、一気に話に引き込まれます。

 

 

主人公の姫三娘(き さんじょう)も拷問され、その後、義和団への参加、日本への亡命と数奇な運命をたどることになりますが、その後はあまり悲壮感なく、手塚治虫らしい巧妙なストーリー展開で読む人を引き付けていきます。西太后が義和団を支持し、1900年に列強各国に宣戦布告をした、などの歴史をしっかりと学ぶことができる。

 

また、史実でも孫文は演説会を開いて、革命資金を集めていたが、そのようなシーンもしっかりと漫画の中で再現されている。

 

 

ちなみに、タイトルの一輝とは、日本人の北一輝(北輝次郎)のことで、2・26事件の思想的指導者として銃殺された社会主義者、思想家。この漫画では少しだけ登場するも、活躍する前に連載が一時打ち切りとなってしまった。2部ではこの北一輝が中国にわたり活躍し、2・26事件にも触れる予定であったと手塚治虫が後に述懐していた。

 

 

戦国時代に非戦、兼愛を解いた墨家の歴史を描く「墨攻」

 

 

墨家とは戦国時代に儒教並ぶほど繁栄した諸子百家の一つで、争いの時代に非戦と兼愛(敵味方分け隔てのない愛)を目指した。非戦の考えから無報酬で城を守る独自の技術を編み出したが、儒家とは異なり、秦の中国統一後はいつの間にか忘れられ消滅してしまった。

 

その墨家の活躍と苦悩を描いたのが「墨攻」という歴史小説で、本作はその小説を漫画化したもの。物語は墨家を追放された主人公が、二つの侵略戦争から城を守る中で出会う苦悩と裏切り、そして最後に見出す希望というように展開していく。墨家は思想集団でありながら、守備のため戦う先頭集団でもあり、戦いの中で物語はどんどんと進展していく。

 

 

謎の多い集団である墨家のことを学べる良書であるが、何よりも分厚いストーリーと森秀樹による素晴らしい絵によりぐいぐいと物語に吸い込まれる。

 

 

ちなみに、2006年にはジェイコブ・チャン監督により日中韓合作として映画化されており、アジアのトップスターであるアンディ・ラウが主人公を、そしてファン・ビンビンも出演しており、映画もなかなか熱いのでぜひご覧あれ。

 

 

劉邦の名軍師張良を中心に描く「龍帥の翼 史記・留侯世家異伝」

 

 

中国で初の統一王朝秦の崩壊にあたり発生した項羽と劉邦の蘇漢戦争で、劉邦の名軍師として活躍した張良を描いた漫画。軍師と言えば諸葛亮が有名ですが、張良といえばあの曹操が荀彧を迎えた際に「我が子房(張良の字)が来た」、徳川秀忠が黒田官兵衛のことを「今世の張良なるべし」と評したという言い伝えが残るほど、名軍師の代名詞のような人物である。

 

なにより、この漫画をお勧めできる点は、当然漫画としてのフィクションやエンターテイメントな部分は崩さずに、かなり史実に忠実にストーリーが作られており、しっかりと項羽と劉邦の戦いの史実が勉強できるところです。有名な戦いや、普通の人はあまり知らない項羽のすさまじさ(20万人を生きたまま穴埋めにしてしまうとか・・・)などもこの漫画を読めばきっちり勉強することができます。

 

 

作者は修羅の門で有名な川原正敏で、私は修羅の門から結構好きで読んでいますが、この漫画の難点を唯一上げるとすると、ちょっと癖のあるこの作者の絵であると思う。ぶっちゃけ素晴らしいストーリーがすっと入ってこないくらい、絵で引っかかるところがあります・・・。まあ、それもこの作者の漫画の魅力の一つなのかもしれませんが。

 

 

三国志は良く知っていても、項羽と劉邦の話を知っている人は比較的少ないかと思います。2020年4月時点でまだ連載中で、14巻で劉邦が項羽に対する反撃を開始している最中ですので、これからクライマックスを迎えますのでぜひご一読を。

 

 

もう一人の孫子、孫臏の物語「ビン〜孫子異伝」

 

 

孫氏の兵法と言えば武田信玄の風林火山の出典となるなど古今東西で超有名で現在のビジネス社会でも愛読されている本の一つですが、実は孫子というは尊称で、孫子の兵法に関係する孫子と呼ばれる人が、二人いるのを知っていますか?

 

一人は春秋時代に活躍した孫武、もう一人はその孫で戦国時代に活躍した孫臏です。

  • 孫武(そん ぶ、紀元前535年頃~)中国古代・春秋時代に呉の王、闔閭のもので活躍。
  • 孫臏(そん ぴん、紀元前4世紀頃)中国古代・戦国時代に斉王のもので活躍。孫武の5代後の子孫

少し前まで孫臏が孫子の兵法の作者であると思われていたが、孫臏が書いた「孫臏兵法」が発見され、現在では孫氏の兵法の作者は孫武であると言われている

 

この漫画は孫臏の方を主人公としたなかなかマニアックな漫画ですが、孫子の兵法が所々に出てきて、漫画で自然に勉強出来るのが良い。漫画にも出てきますが、孫臏は昔友人に裏切られて、臏刑(ひざの骨を抜く刑)と額に罪人の印である黥刑(入れ墨)を受けおり、普段は車に乗って移動しているが、緊急事態には補助具を使って立ち上がったりする。

 

 

そのようなハンデを持ちながら、それを全く気にせず、痛快な活躍をするのがこの漫画の魅力だと思います。史実の人物も多く登場しますが、いろいろと漫画ならではのオリジナル部分もあります。

 

 

裸甲冑とか(笑)こういう、まじめな歴史もので、ちょっと柔らかい要素が入ってきて、あまり嫌味ではないのもこの漫画の良いところです。

 

物語は史実にフィクションを交えながら、楽しく進んでいくので気軽に読めますし、自然と孫氏の兵法が学べるのでお勧めします。

 

 

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