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中国ドラマ『走向共和』清末~民国初期を描いた傑作近現代歴史ドラマ

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清朝末期から中華民国初期の激動の時代を描いている全59話のテレビドラマ。タイトルの「走向共和」というのは共和に向かって進むというような意味で、共和とは現在の中華人民共和国のことである。現在中国建国に向かうまでの物語である。中国近現代の歴史ドラマとしては私が最もお勧めするドラマである。ちなみに、海外ノーカット版全68話もある。

 

 

中国版:視聴はこちらから Youku 走向共和

 

あらすじ

 

序盤は、清朝末期の混乱、日本や欧米との衝突を、西太后、光緒帝、李鴻章などの登場人物をメインとして描いている。革命を開始したばかりの孫文や、後に中華民国初代大統領となる袁世凱、戊戌の変法を主導して失敗した康有為なども登場する。西太后は古き良き清朝を守るため様々な弾圧を行いつつも、西欧列強や日本から圧力を受ける厳しい清朝の内情や人間ドラマが描かれる。前半の中心人物は李鴻章や西太后である。

 

西太后が無くなった後の後半は、中華民国初期の混乱が、孫文、袁世凱を中心に描かれる。東洋発の民主主義国家を作ろうと情熱を傾ける孫文に対して、王朝の復活をもくろむ袁世凱の栄華と挫折が描かれる。

 

見どころ

 

日清戦争後の中国全権大使となった李鴻章と伊藤博文との厳しい交渉や、戊戌の変法をつぶした後の西太后と光緒帝の対立、康有為の日本への逃亡、清朝の滅亡を主導した袁世凱の交渉、孫文の奮闘、袁世凱の挫折と段祺瑞の台頭など見どころはたくさんある。

 

清朝末期の宮廷の様子がリアルに描かれており非常に興味深く、また明治維新を成し遂げて強国となりつつある日本や明治天皇なども登場、けっこう客観的に描かれている。中国側から見た日本というのはこういう感じだったのか、と非常に興味深い

 

このドラマを見て、清末に活躍し日清戦争の清側全権大使として来日もしている李鴻章のことを初めて詳しく知ることができた。清朝末期の重要な政治家で尊敬すべき人物である。 日清戦争の敗北後、講和交渉で全権を任された李鴻章は下関の引接寺に滞在し、伊藤博文・陸奥宗光と講和会議の交渉を行った。その際に、現在の「李鴻章道」で小山豊太郎に狙撃され、負傷するという事件が起こった。このように日本とも非常に縁の深い人物である。ちなみに、トリビアであるが、この下関条約で清は朝鮮・台湾・遼東半島を喪失し権威を大きく失墜したのであるが、日本側は台湾と挑戦を獲得したことによりその後、帝国主義への道をひた走るわけであり、非常に複雑な気持ちになってしまう。

 

日本ではあまり勉強しない、孫文の辛亥革命の詳細や主要人物の勉強ができるので非常におすすめのドラマである。ドラマとして面白いだけでなく、中国語と歴史の勉強にもなるので一石二鳥である。このドラマを見ると、孫文と李鴻章が好きになることは間違いない(笑)

 

まとめ

 

ただ、どちらかと言えば個人的には前半の方が非常に面白かったのに対して、特に50話以降くらいはちょっとだらだらしている感があった。この傾向、中国のドラマに多い気がする。

 

ただ、そのようなマイナスを差し引いても、ドラマは中国近代史の中では間違いなくNO.1を争っていると思う。中国の歴史に興味があるなら絶対に見なければいけないドラマの一つである。

 



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