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写真集 歴史・文化

【写真】1935年北平(北京)春節のカラー写真(AIカラー処理、高精細化)

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1936年にアメリカで発売された雑誌『ナショナルジオグラフィック』で紹介された「北平春節」という写真をご紹介します。中華民国の比較的安定した時代の北京で、当時、北京は北平と呼ばれていました。AIでカラー化処理された写真は当時の町の雰囲気を活き活きと伝えてくれます。

 

北京の街並み

街の両脇には店が並び、人で大変混雑している。その中を2台の人力車が走っている姿がうかがえる。これより遡ること50年ほど前に人力車は北京に伝えられたようであるが、当初はたへん非難をされたようである。それまで人間を引くのは家畜の役目であったが、人間が家畜のようになってしまう、との事であるらしい。中国内でもこのような非難があったらしいのであるが、ちなみに、欧米人がはじめて中国を訪問した際には、重い荷物を運ぶ労働者(苦力)を見て、人が家畜のような仕事までやっている、と驚かれた、という話もある。

どうでもよいトリビアであるが、人力車は1850年前後にアメリカもしくは日本で発明され、牛馬を使うよりも人間が引いた方がはるかにコストが安かったため、日本やアジアでは大いに普及したとの歴史がある。中国には1880年代には導入されたらしい。

 

薬草販売の屋台

テーブルの上には漢方薬で用いられる薬草が並んでおり、”双秘丸”や「万効丸」などのいかにも効きそうな名前の薬が売られている。ちなみに、奥のお品書きみたいなものには、虎骨に加えて熊油という言葉も書かれている。両方とも漢方では病に聞くとされており、虎の骨は強精剤や鎮痛剤として用いられ、熊の油は熊の胆嚢(たんのう)の事で、苦みが強いが消化器系全般に効果がある。昔から、強い生命力を持つ動物は漢方に用いられることが多かった。ちなみに、人肉も薬として売られることがあったという。

 

磁器を売る店

露店であるが、様々な磁器が販売されている。磁器をChinaと呼ぶように、昔の中国の磁器は世界中で非常に人気が高かったという。ちなみに、漆器もジャパンと呼ぶことがあるが、この呼び方は今ではあまりしないようである。

 

ラバが引く車に乗る母と子

このころ、すでに人力車や自動車も実用化されていたが、北平の街ではこのようなバネのついていない木製の2輪車もまだまだ使用されていた。乗客は天蓋で覆われ、クッションの上に座っており、一見快適そうに見えるが、実際には乗り心地はあまりよくなかったようである。

 

ぼろぼろの花売り

ぼろぼろの服を着た商人が春節期間に花を売っている様子。これらの花はすべて紙でできており、本物の枝に固定されている。枝は、わらで柱に括り付けられており、遠くから見ると、本物のように見える。

 

春節で貰った龍の凧を持った少女

春節にあわせてきれいな服を着た二人の女の子が、北京の瑠璃廠で人気のお店で龍の凧を買っている。彼女たちの後ろには、大きな金魚の凧が飾ってあるのが見える。

 

薬売りのデモンストレーション

雑技を披露しているように見えるが、実は弓をもっている男の後ろのテーブルにある薬を売るため、観客を集めるためのパフォーマンスを行っている。人を集めておいてから、薬をほめたたえて販売する。

 

妙峰山の獅子舞

二人で獅子舞を準備しているところ。一人は頭を、一人は尾を担当する。日本人には見慣れた風景であるが、この写真を撮ったナショナルジオグラフィックのアメリカ人はとても興味を持ったようである。

 

お寺のお祭りでの雑技

一人が木に逆立ちをして、もう一人は首に布をまいてそこに引っかかっている。細いながらも良い筋肉をしている。このような雑技は春節のお祭ではよくみられた。

 

雑技を演じる父と娘たち

家族による雑技の実演。父親の上に姉が乗り、一番上には妹が乗り、片足でバランスをとっている。姉の笑顔が良い。見ている人達も微笑んでいる。

 

片手でバランスをとる男

観客が熟練した雑技員をみて拍手喝さいを送っているシーン。観客には、伝統的な中国のメロン帽子をかぶっている人もいれば、西欧風のハットをかぶっている人もいる。

 

腕の上で逆立ちする子供

素晴らしい雑技をすると観客たちは喜んでお金を渡す。年越しには財布の紐も緩んでいる。これらプロの雑技員は、この時期には、市場から市場に子供を連れ行き、空き地が一つあれば実演をはじめてお金を稼ぐ。

 

白雲観の前の道士たち

北京の白雲観には春節のお祭になると多くの人が集まる。写真に写っているのは貫禄がある道教の道士たち。

 

継ぎはぎの服を着た老道士

北京の冬は寒く、この継ぎはぎの服ではそれほど暖かくない。この老道士は青銅の香炉の前で歩いていく人たちにお金を求めていた。

 

博学な老人と犬

中国では知識豊富な人は尊敬される。過去には、3年に1回科挙の試験が行われ、合格すると高級官僚になることが出来た。今では、北平の急科挙試験場は、新しい学校に生まれ変わっている。

 

朝の祈りの時間

僧侶らしき人が朝のお祈りの鐘を鳴らそうとしている。ナショナルジオグラフィックに掲載された時には、後ろの建築様式に対する解説がなされていたようである。

 



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