中国ビジネス・生活・歴史の総合情報サイト チャイナスタイル

ChinaStyle.jp

歴史・文化

1949年 中国の首都はどのような経緯で決まったのか?

更新日:

 

1949年、中国人民政治協商会議は首都の候補として、上海、南京、北京、ハルビン、西安、洛陽、開封、延安、重慶、武漢などのいくつかの都市を考慮していた。いくつかの有力そうな都市の中から、北京市が首都に決まった理由は何だったのだろうか?議論の内容を見てみたい。

 

上海と南京

 

上海は海に面し、水上輸送、経済、工業、国際交流などの面で限りない潜在力を持っており、周辺の平野も広く利用可能な土地も多いというメリットがあった。南京は中華民国の首都であり、政治的基礎で優位性がある。

 

しかしながら、首都を海沿いに置くのは、当時の世界情勢から見て攻撃を受けやすく、また南京は抗日戦争と解放戦争を経験し、軍事防衛の基礎力が不足し人口も大きく減少しており、また一部の人は南京を首都とした王朝はみな短命であると反対した。

 

ハルビン

 

ハルビンは今から考えると意外に思えるかもしれないが、中国の東北部に位置し、工業が発達し、鉄道が至るところに存在し、しかもソ連に近い。1900~40年の間は、ハルビンには地理的優位性があり、ソ連から大きな恩恵を受けている。30数カ国の華僑が集まり、16カ国が領事館を設立し、国際都市を形成している。しかし、ハルビンは東北に位置しているため、一部の他の地域の人々が厳しい冬の寒さに適応できず、全国の管理という意味では不利ということで反対されている。

 

西安と延安

 

西安は13王朝が首都とした古都であり、昔から軍事の要衝地であったが、現在は領土は拡大し、祖国は統一され、北方の長城は辺境ではなくなっており、軍事的な役割はほとんど失われている。西安の地理的位置は内陸部すぎて船が通る河川に乏しく、中国の経済の中心は沿海や江南である。延安も同様に、交通が不便で利用可能な土地も多くなく、延安と西安は反対されている。しかし、政協会議の採決では西安は高い票を得ていた。

 

開封と洛陽

 

黄河付近の開封、洛陽などの古都は、長期にわたる黄河の水害により、経済が立ち後れ、人口が大量に流出していた。しかも、こうした局面は短期的に改善することができず、莫大な資金を要することに加え、交通や黄河の水害などの問題から、開封、洛陽も首都としては反対された。

 

武漢

 

武漢は江漢平原に位置し、工業が集積し経済が発達しているが、川と湖が入り組んでいて、地形が複雑で、長江中流に位置し水害が多い。また、過去、日本軍が長江に沿って南北から武漢を挟撃したことから、武漢の防衛力が不足しているとされて反対されている。

 

重慶と成都、広州

 

重慶、成都は、四川盆地内にあり、中国の戦時首都として一定の政治的基礎を持ち、使える土地も多く、外交部門も豊富で、無限な潜在力を持つにもかかわらず、1949年11月から国民党と人民解放軍の“西南の戦い”が始まってしまい(国民党はこの戦いで負けて12月10日に蒋介石は台湾へ撤退している)戦争も終わっておらず、民心はまだ不安定ということで反対されている。

広州も同様で戦闘がまだ進行中で、広西、海南などの地区がまだ解放されておらず、首都として常に危険にさらされるということで反対。

 

北京

 

 

北京は東北と中原を結ぶ戦略的位置にあり、海に近いが渤海は中国の内海であり、遼寧、山東という二つの半島の護衛があり、戦略上非常に安全であり、外国から攻められても直ちに北京が危険に陥る事もない。

 

また五四運動などもここで勃発し、大衆の基礎はしっかりしており、北京は前王朝の帝都であり人民の心理的にも受け入れやすい。北京は戦争による破壊もほぼなく、完全に保存されており、無傷の都市に首都を建設することで、大きな経費を節約できる。しかし、淡水資源の不足や黄砂がデメリットとしてある。

 

まとめ

 

このような各都市の検討を経て、1949年9月21日から9月30日まで開催された中国人民政治協商会議第一期全体会議で、中華人民共和国の都を北平市を定め、北平市を北京市に改名することを決定した。

 

その後、1949年10月1日に建国記念式典が天安門で開催された。その詳細は以前の記事にまとめているので、そちらを是非読んでいただきたい。

 

<合わせて読みたい>

【写真】中国建国70周年企画 1949年中国の開国大典(建国記念式典)の貴重なカラー写真

  2019年の今年は中国建国70周年ということで、建国記念日となる10月1日の国慶節では様々な行事が予定されている。それでは、1949年に中国が建国された時はどんな様子であったのか?日本人 ...

続きを見る

 



-歴史・文化
-

Copyright© ChinaStyle.jp , 2020 All Rights Reserved.