中国と言えば日本とは比べ物にならないくらい奇抜な建築物が多いことで有名である。毎年恒例の「最も醜い建物」ネット投票が行われていたので、今回はその中から専門家が選んだ醜い建物10選をご紹介したい。なお、投票サイトと結果や生コメントなどはこちらで見ることができる。
広州融創大劇院
無理やりなオリジナリティーに加えて、脈絡のない中国風で、都市景観と全く合わずに市民からの評判もすこぶる悪い。特に外見の無理やりな鳳凰や竜などの中国風が非常に嫌われている。2019年12月に竣工した。
吉林延辺長白天地度暇酒店
楕円形の物体を無理やり建物の上に乗せた粗暴な建物であると不評。長すぎて無駄遣いである、UFOかと疑ったなどという意見も。また、夜になると巨大な怪物が空を飛んでいるようで怖い、とひどい言われようである。なんとなく、シンガポールのマリーナベイサンズと似ている気もするが、あちらは大人気で、こちらは大不評である。
重慶武隆飛天之吻
もう見ただけで低俗で、稚拙、自然環境の景観をぶち壊している、と酷評を受けている。白馬の王子と、仙女ということであるが、どう見ても、そうは見えない、詐欺だという声も。これを作った人は悪意がある、とまで言われている。ここまでくると、一度は乗りに行きたくなる。
江蘇南京蜂巣酒店
金ぴかに輝く蜂の巣を模した建物が、奇妙で猟奇的、しかも成金趣味で低俗であると言われている。建築には30億元かかっているらしい。中国人は成金趣味には日本人よりも寛容であるが、さすがにこの建物は中国でも評判が悪いようである。ちなみに、すぐ近くに獅子の石像を作ろうとしているらしいが、これもすこぶる評判が悪い。
貴州興義万峰湖吉隆堡酒店
盲目的に西欧を崇拝している建物であり、文化的な価値を曲解している、周辺の中国の風景とまったくなじまない、と酷評を受けている。また、ドイツのノイシュヴァンシュタイン城に酷似しているが、オリジナルには遠く及ばないひどい出来であると言われている。
河北滄州呉橋国際雑技大劇院
一目見た時は天壇かと思ったが、実際には形は似ているものの、建築技術や様式は劣化したもので、伝統文化を馬鹿にしている、と不評。
広西河池丹泉酒業文化館
まるでユニバーサルのようだけど、作りが粗雑で、なぜこんなものを作ったのか理解できない。しかも、酒の文化館なのに、なぜ地球にする必要があったのか不明で低俗、中に超高級な酒が所蔵されているとは思えない、などと非難されている。
江西省図書館新館
図書館だけに本を横から見たところを模して造られているが、設計思想が支離滅裂だと非難されている。公式ページによると、滕王閣(江西省にある中国三大名楼の一つで非常に有名)の建築様式を採用した、とあるが、そこが特に非難を集めるポイントになっている。
広東茂名青少年活動中心
四角と丸がごちゃごちゃで設計がめちゃくちゃで、色彩感覚がおかしいと非難されている。レゴランドホテルにも酷似しており、丸い部分は万華鏡を模したものであるとのこと。
陝西宝鶏連盟大橋
一見きれいな橋に見えるが、この橋がある宝鶏市は”炎帝の故郷、青銅器の里”であり、周、そして秦の発祥地でもある、非常に歴史ある市である。そこに、何故か西欧風の橋を作ってしまうという暴挙に出ており、中国文化の恥さらしであると大変非難を受けている。
まとめ
こうしてみると、共通して言えるのは、どこかの建物をパクってきたものや、景観と会わないものは酷評されているのが分かる。
たしかに中国は日本よりも奇抜な建物が多いが、日本人が変だと感じるものは一般の中国人も変だと感じていることは間違いないようである。
ただ、ここまで酷評されると、逆に訪問したくなるものである・・・