皆さん張学良ってご存知ですか?日本人はあの張作霖の息子というくらいの認識があればたいしたもので、大半の人はあまりしらないと思うが、中国では国共合作の契機となった西安事件をおこした”英雄”扱いをされている有名人である。これがなければ、共産党の中国は無かった、と言われるくらいのたいへん大きな転機となった事件なのでその知名度は非常に大きいものがある。タイトルの少帥とは、父の張作霖と対比した、小さい将軍、くらいの意味合いであろうか。
ちなみに、台湾では逆に、蒋介石を拉致して国民党が中国大陸を追われる契機をつくった人物として、長らく軟禁されていた、すこぶる評判が悪い人である。国民党が台湾に引き上げた際に蒋介石により台湾に連れていかれ、1980年代まで自宅に軟禁されていた。彼自身は結局、01年に100歳でハワイにて亡くなっている。
日本の満州支配と国民党と共産党を知るうえで、このドラマは大変勉強になるため私は歴史好きにはおすすめしている。
中国語版:視聴はこちらから Youku 少帅
あらすじ
さて、このドラマの前半は張作霖を中心に物語が進行していくのであるが、当然、悪役として日本人も登場したりする。まあそれは中国映画のご愛嬌という事で(笑)。このドラマ、前半がものすごく面白い。教科書で習ったことがある張作霖爆殺事件に至る時代背景や詳細を知ることが出来てとても勉強になる。張学良自身は、東北の皇帝と言われた張作霖の息子として、葛藤しながら成長していく姿が描かれている。
一方、後半、特に共産党幹部が出て来てからは急につまらなくなる。蒋介石をものすごく悪く描いて(笑)、毛沢東をべた褒めしてる。うーん、なんだがなぁっていう感じであるが、まあ中国のドラマなので毛沢東のことは悪く描けない、制作者も悩んでいるんだ、と都合よく解釈しておきましょう。
見どころ
さて、この張学良であるが、実際の写真を見てみても男前であるが、このドラマでも超カッコいい!中国で人気のある俳優である文章が張学良を演じているのであるが、とにかくかっこいいのである。このドラマをみたら絶対に張学良のファンになると思う(笑)
東北皇帝張作霖の寵愛を受けて、子供のころから帝王学を学んでおり、英語もペラペラであった。また、当時の中国でテニスをたしなんだり、様々な女性と浮名を流したりしている。このドラマの最大の見どころはこの女性関係と張学良のカッコよさだと思う(笑)
なお、ドラマ内でも描かれているが、20歳の時に初来日したのであるが、昭和天皇に似ているとして非常に驚かれた、というエピソードが残っている。
まとめ
張学良は若い時にアヘン中毒であったが、その治療に向かったヨーロッパでファシズムに目覚めて中国にも強い指導者が必要であると思うようになったようである。そして、帰国後に西安事変を起こし、共産党の中国支配の契機をつくった言われている。そのような背景もあり、共産党からは英雄扱いされている人物であり、ドラマの中でも、当然、共産党の検閲のもと、毛沢東をべた褒めしている。このドラマの不満点(笑)であるが、まあトータルするとかなり面白い部類に入るドラマで、軍閥のあらそい、国共合作に至る近現代中国史を勉強できるのでおすすめのドラマです!